賃貸物件の壁の原状回復義務を解説!画鋲の穴やタバコのにおいはどうなる?
賃貸物件には原状回復義務があるため、室内を入居時の状態に戻してから退去しなくてはなりません。
しかし、画鋲の穴やポスターの跡など、壁の小さな損傷も原状回復が必要なのでしょうか。
今回は、賃貸物件の壁の原状回復義務について、画鋲の穴・ポスターなどの跡・タバコによる汚れの3つのケースに分けて解説します。
賃貸物件の壁の原状回復義務①画鋲の穴
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、通常の生活を送るうえで生じた損傷は原状回復の対象外としています。
画鋲の穴などの小さな傷は通常の生活の範囲内と見なされ、入居者が費用を負担することはありません。
しかし、入居者の故意や過失、不適切な管理などによる損傷は、入居者が原状回復費用を負担します。
ネジや釘などで大きな穴が開いた場合は、修繕費用を請求されるおそれがあるため注意が必要です。
画鋲の穴であっても、穴の数が多すぎる場合は修繕費用を請求されることがあります。
賃貸物件の壁の原状回復義務②ポスターや冷蔵庫の跡
長期間住んでいた賃貸物件の壁には、ポスターの跡や、電気焼けと呼ばれるテレビや冷蔵庫の跡がついていることがあります。
このような壁についた跡も生活上の自然な損傷であるため、入居者が費用を負担することはありません。
日照などの自然現象でクロスが変色したケースでも、大家さんが原状回復費用を負担します。
ただし、入居者がエアコンからの水漏れを放置したことで壁についた跡などは入居者の責任となり、入居者が費用を負担しなくてはなりません。
賃貸物件の壁の原状回復義務③タバコ
タバコによって壁についた黄ばみやにおいの原状回復は、汚れの程度や住んでいた期間により異なります。
通常のクリーニングで落とせる程度の汚れであれば、入居者が原状回復費用を負担するとしても高額にはなりません。
また、長期間住んでいた場合は、タバコによる影響がなくとも壁の劣化は進んでいます。
どこまでをタバコによる汚れとするかの判断は難しく、大家さんと話し合う必要があるでしょう。
入居者が費用負担をする場合でも、多くのケースで時間の経過による劣化を差し引いた金額になります。
ただし、タバコによる汚れが深刻で室内全体の貼り替えをおこなうケースでは、入居者の負担が大きくなる可能性があります。
まとめ
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、画鋲の穴など通常の生活の範囲内での損傷は、原状回復費用を入居者が負担する必要はありません。
ただし、大きな穴やタバコによる深刻な汚れなどは、入居者が費用負担をおこなう可能性があるため注意しましょう。
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